朝起きるともうすでに何輪も花を咲かせている朝顔。
よく似た花には、昼顔や夕顔、夜顔もありますが、なかなか見分けにくいですよね。
この4種類の花にはどんな違いがあるのでしょうか。
それぞれの花の咲く時間帯のほか、花びらや葉の違い、一年草か多年草か、分類など、違いや見分け方についてくわしくご紹介します。
朝顔とはどんな花?
朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草。
原産地には諸説ありますが、近年ではアメリカ大陸ではないかと言われています。
観賞する花として人気のある朝顔は、花色も多彩。
青紫赤白ピンクと、いろんな色がそろっています。
朝の顔という名のとおり、朝顔は早朝から開花。
そして午前中のうちにしぼんでしまう一日花です。
開花期は7月から9月の夏。
暑い季節、私たちを楽しませてくれる花ですよね。
葉の形は、先が3つに割れていたり、ハート型のものもあり、品種によってさまざま。
葉では見分けが難しいですが、朝顔は花が終わり種ができると、完全に枯れてしまいます。
また、別種の西洋朝顔は、午後まで花を楽しめ、花期も遅く、秋まで咲いてくれます。
朝顔と言えば、小学校の夏休みを思い出します。
毎朝、何輪咲いているか観察した懐かしい記憶・・
朝顔は古典植物として、古くは江戸時代のころから品種改良がおこなわれてきた花です。
絞り咲きや八重咲き、大輪、変わり葉など、めずらしい品種が多く出まわっています。
昼顔とはどんな花?
昼顔は、ヒルガオ科ヒルガオ属のつる性多年草。
原産国は日本で、海外にも広く分布しています。
朝のうちから薄ピンク色の花を咲かせ、夕方にはしぼんでしまう一日花。
開花期は、5月から8月ごろです。
昼顔は、道端にも生えるほど繁殖力が強く、冬に地上部が枯れても、地下茎で冬越しします。
とても可愛いピンクの花色なのに、この生育旺盛な性質のため、あまり観賞用として育てられることはなく、雑草扱いされてしまうことも。
それでも、類似種の西洋昼顔には、ブルーコンパクター(コンボルブルス)という白や薄紫の花を咲かせる可愛い品種もあるんですよ。
また、砂地に咲く昼顔とそっくりなピンクの花はハマヒルガオ。海岸でよく見かけますよね。
こちらもほふく性で、砂地に地上茎や地下茎をのばし、ぐんぐん生長していきます。
ヒルガオとハマヒルガオを見分ける点は葉の形。
ヒルガオの葉は細長い三角の形をしていますが、ハマヒルガオの葉は、丸っぽくつやのある緑色で、砂地に適応できるようになっています。
日当たりのよい所ならどこにでも生えている昼顔だけど、万葉集にも詠まれいるんですよ。
昼顔は、容花(かおばな)と呼ばれていて、その葉には薬効もあるとされ、現代と違って、昔は人々の生活に密着した花だったのかもしれませんね。
夕顔とはどんな花?
夕顔は、ウリ科ユウガオ属のつる性一年草。
原産国は、北アフリカやインドです。
夕顔は、夕方に白い花を咲かせ、翌日の午前中にはしぼんでしまう一日花です。
そして、夕顔の実はかんぴょうの原料でもあります。
朝顔や昼顔、夜顔とは違って、夕顔はウリ科。
ウリのような大きな実をつけるのは夕顔だけです。
それから、夕顔の見分け方は、葉っぱと花びら。
葉は、とても大きなハート型をしていてます。
そして、ウリ科の夕顔は、5枚に分かれた花びらを持ち、ちぢれているのが特徴的です。
ヒルガオ科の3種類の花びらとは全然違うので、ぜひ観察してみてくださいね。
夜顔とはどんな花?
夜顔は、ヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草。
原産国は、熱帯アメリカです。
日本には、明治時代のはじめに渡来しました。
夜顔は、夕方から咲き始め、翌朝にしぼむ夜咲き。
花色はおもに白色で、大きな花を咲かせます。
開花期は7月から10月で、秋まで楽しめる花。
夜の闇に浮かびあがる純白の花は妖艶な印象ですね。
この夕顔の花には芳香があり、朝顔と同じように、鑑賞用として親しまれています。
夜顔と夕顔はよく混同されるのですが、先ほどご紹介したように、夕顔はウリ科の野菜。
葉が全然違うので、そこが見分けるポイントです。
夕顔の葉はとても大きなハート型をしていますが、
サツマイモ属の夜顔は、さつまいもの葉に似た丸っぽい形をしています。
また夜顔には、白花夕顔や赤花夕顔という品種があり、余計に間違いやすいのですが、これらは香りのよい大輪の花を咲かせます。
おわりに
よく似た花と名前の朝顔、昼顔、夕顔、夜顔。
これらの4種類の花の名前は、咲いている時間の違いから区別されてつけられています。
朝顔と昼顔は、午前中に咲いている点は同じですが、花色の違いや、ほふく性かどうかで見分けられます。一年草と多年草の違いもあり、地下茎で越冬して旺盛に咲くのが昼顔です。
夕方から咲きはじめる夕顔と夜顔の違いは、花びらと葉の形や、芳香があるかどうか。夕顔の花びらはちぢれているので、見分けがつきやすいですよ。
4種類の花では夕顔だけが科が異なり、ウリのような大きな実をつけるのも大きな違いです。
それぞれの違いがわかると楽しいので、これからの季節、ぜひ観察してみてくださいね。