サンタクロースのトナカイは何頭いる?名前や性別も決まっているの?

サンタクロースを乗せてそりを引くトナカイたち。
クリスマスシーズンにはかかせない、かわいくて親しみのあるキャラクターですよね。
ところで、そりを引くトナカイって全部で何頭いるか、それから名前や性別はご存知ですか?
それらについてくわしく紹介されているアメリカの文学作品のなかからご紹介していきます。

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サンタクロースとトナカイ

サンタクロースのよき相棒であるトナカイさん。
そりを引っ張り、クリスマスイブに世界中の子どもたちにプレゼントを運んでくれますよね。

そんなトナカイは、シカ科トナカイ属の一種。
日本語としても定着しているトナカイですが、この言葉はアイヌ語の tunakkay(トゥナカイ)が語源となっています。

トナカイの別名は馴鹿(じゅんろく)といい、英語では reindeer(レインディア)といいます。また、北米に生息するトナカイは、Caribou(カリブー)と呼ばれることもあります。
 

そりを引く動物といえば、日本では犬ぞりのイメージがありますが、北欧の先住民族は、体長が大きくとても速く走ることのできるトナカイにそりを引かせて、ともに暮らしてきました。

のちに、アメリカの古い文学作品にもサンタクロースとともに登場するトナカイ。

作品のなかには、サンタクロースのそりを引くトナカイの頭数が書かれており、それぞれに名前もつけられているんですよ。

トナカイは何頭?名前は何?

アメリカの児童文学のなかに登場するトナカイ。

最初にサンタクロースのそりを引くトナカイたちが登場したのは、"A Visit from Santa Claus"『サンタクロースがきた』という詩でした。


これは、1823年、ニューヨーク州の新聞に無名で発表された作品。原題は "A Visit from St. Nicholas"『聖ニコラウスの訪問』で、その後 書籍化されました。

作者は、ニューヨークのクレメント・クラーク・ムーア(1779-1863)とされています。

この作品に登場するのが8頭のトナカイたち。
サンタクロースと一緒にプレゼントを配るトナカイは、全部で8頭だったのですね。

トナカイたちは、そりを引く順番も決まっていて、2列に並んだ先頭から順に2頭ずつ、次のようなかわいい名前がついています。

トナカイの名前
Dasher(ダッシャー) Dancer(ダンサー)
Prancer(プランサー)Vixen(ヴィクセン)
Comet(コメット)   Cupid(キューピッド)
Donner(ドナー)   Blitzen(ブリッツェン)

このように、19世紀の作品『サンタクロースがきた』には8頭のトナカイが登場しますが、それから約100年後、あの有名なトナカイが新しく仲間に加わることになるのです。
 

9頭目は赤鼻のトナカイ

その新入りのトナカイは、あの赤い鼻のトナカイ。
名前は、Rudolph(ルドルフ)です。

赤鼻のトナカイは日本でも有名なクリスマスソング。
真っ赤なお鼻の~~♪で始まるあの歌にも登場するルドルフが9頭目のトナカイなのです。

この曲、日本では『赤鼻のトナカイ』というタイトルで、歌詞にも「真っ赤なお鼻のトナカイさん」としか出てきませんが、もともとのタイトルは "Rudolph the Red-nosed Reindeer"で、ルドルフの名前が題名にも歌詞にも入っています。
(8頭の名前も歌詞に出てきますよ 1:01~)

歌のタイトルにもなっている赤鼻のトナカイ ルドルフは、アメリカのシカゴに住んでいたロバート・ルイス・メイ(1905-1976)が1939年に発表した童話 "Rudolph the Red-Nosed Reindeer"『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』に登場します。

物語のなかで、ルドルフは、先ほどご紹介した8頭のトナカイたちのリーダーとして大活躍。

児童書として出版されたこの童話はベストセラーとなり、1948年、この物語をもとに作られた楽曲が、先ほどご紹介したクリスマスソング『赤鼻のトナカイ』です。


『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』は、1938年に、ロバートが4歳の娘に話してあげたことがもととなり生まれた実話で、翌年の1939年に書籍化されました。

1964年にアニメ化された赤鼻のトナカイは、日本でも1967年のクリスマスイブに、NHKで『赤鼻のトナカイ ルドルフ物語』として初めて放送されました。


この作品は、1時間のパペットアニメーション(人形アニメ)で、監督やアニメ制作・人形制作など、日本人スタッフも参加しており、撮影も日本でおこなわれたのだとか。

赤鼻のトナカイ ルドルフの活躍を描いた、アメリカで50年以上親しまれているアニメ。DVD化もされているので、私も観てみたいなと思います。

トナカイの性別は決まっている?

トナカイたちの先頭に立ってそりを引くルドルフ。
真っ赤に光るお鼻がとってもかわいいですよね。

物語では、ルドルフは男の子のトナカイ。
ほかの8頭のトナカイにも性別があるんですって。

ルドルフと同じオスのトナカイは、ダッシャー・コメット・キューピッド・ドナー・ブリッツェン。そして、ダンサー・プランサー・ヴィクセンの3頭がメスのトナカイとなっています。

ルドルフを先頭に、2列に並んだトナカイたちの性別を色分けするとこちら。

9頭のトナカイの性別
ルドルフ 
ダッシャー ダンサー 
プランサー ヴィクセン 
コメット  キューピッド 
ドナー   ブリッツェン

オスのトナカイ
メスのトナカイ

 
さて。トナカイは、シカ科のなかでは唯一、オスメスともに角を持つめずらしい動物。

トナカイの角は、繁殖期のオス同士が抗争するためだけでなく、雪を掘ってエサを得る役割もあることから、メスにも生えているのです。
 

ただ、角が生え変わる周期は、オスとメスで違っていて、トナカイのオスは春に角が生えて秋から冬にかけて抜け落ちますが、メスは冬に角が生えて春から夏にかけて抜け落ちるというサイクルとなっています。

ということは、オスの角は寒い冬には抜け落ちてしまっているので、クリスマスシーズンに角が生えているトナカイはメスだけ、となってしまいます。

サンタクロースとともに描かれているトナカイには必ず角があるので、全員メスである!

決してそんなうんちくは語らず、『サンタクロースがきた』や『赤鼻のトナカイ ルドルフ』に登場するトナカイたちには、男の子と女の子の設定がちゃんとありますので、子どもたちにはぜひそのように教えてあげたいですね。

おわりに

サンタクロースとたくさんのプレゼントを乗せたそりを引っ張るトナカイさんたち。
1823年に発表された作品では8頭でしたが、1939年にはルドルフが加わり9頭になりました。

 
9頭のトナカイそれぞれの名前や性別も決まっているのは、なかなかおもしろいですね。

クレメント・クラーク・ムーアの『サンタクロースがやってきた』の絵本は日本語にも翻訳されていますし、ルドルフのアニメもDVD化されていますので、クリスマスシーズンにご覧になってみてはいかがでしょうか。

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