桜が終わったころ、白やピンクの可愛い花を咲かせるハナミズキ。街路樹にも多く植えられていて、この季節になると嬉しくなる大好きな花木です。
花言葉も素敵なものばかり。
そんなハナミズキについて、花言葉の由来や意味、いろいろなエピソードをご紹介します。
ハナミズキについて
春が見頃の花木、ハナミズキ。
樹高は大きいもので10mにもなる高木落葉樹で、春から初夏にかけ、白やピンク、赤色の花を咲かせます。
といっても実は、花びらだと思われているところは、正確には花弁ではなく、苞(ほう)という葉っぱ。葉が変形した総苞(そうほう)というものなんです。
実際の花弁は、総苞よりも中央にあります。
和 名 : 花水木(ハナミズキ)
別 名 : アメリカヤマボウシ
英 名 : Dogwood
学 名 : Cornus florida
科・属 : ミズキ科ミズキ属
原産地 : 北アメリカ東部からメキシコ北東部
和名の花水木は、ミズキ科の中でも特に花が大きく目立つことから名づけられました。
ミズキは水の木とも言い、新芽を出す頃に地中から大量の水分を吸い上げることに由来しています。
英名はDogwood(犬の木)。この語源の由来は、一説には、樹皮の煮汁を犬の皮膚病の治療やノミ退治に使用したためと言われています。
ハナミズキの花言葉
ハナミズキの花言葉には、素敵な意味が込められたものが多いです。
白・ピンク・赤の、色別の花言葉はつけられていないようです。
・返礼
・私の想いを受けとってください
・華やかな恋
西洋の花言葉もいくつかありますが、おもに durability(永続性、耐久性)という言葉を持っています。
ハナミズキの花言葉の由来
ハナミズキの花言葉のひとつに、返礼という言葉があります。
これは、日本からアメリカに桜を贈った時のお返しとして、ハナミズキが贈られたことが関係しています。
ハナミズキは返礼の花
毎年春になると、日米の永続的な友情を祝う全国桜祭り「National Cherry Blossom Festival」がワシントンD.C.で開催されます。
ポトマック川の桜並木が有名ですが、これは、1912年(明治45年)に、東京の尾崎行雄市長が日米の友好を願って、アメリカのワシントンD.C.に約3000本のソメイヨシノを寄贈したものです。
そのお礼として、1915年(大正4年)にアメリカから日本へ白いハナミズキが贈られ、その数年後には、赤いハナミズキも贈られました。
このことから、ハナミズキは返礼の木と言われるようになり、花言葉にも返礼と私の想いを受け取ってくださいという花言葉がつけられました。
贈られたハナミズキは全部で60本。うち白花の苗木が40本、ピンク花の苗木が20本で、日比谷公園や小石川植物園などに植えられたそうです。
紅葉も美しいハナミズキ
ハナミズキの花の見頃は4月から5月ごろですが、楽しみはそれだけではありません。
花が終わるとグリーンの葉が生い茂り、秋は美しく紅葉し、冬が訪れると落葉します。
このような赤くてかわいい実もつけるんですよ。
ハナミズキは、一年を通して、花・実・葉のすべてを楽しめる花木なんですね。
シンボルツリーとしてのハナミズキ
ハナミズキは、市の木や区の木として、20ヵ所以上の地区でシンボルツリーとして指定されています。
可憐でかわいい花は明るい印象を与え、四季を通して美しく、季節感も感じられる花木。
花言葉も素敵で、未来への発展に明るい彩りを添えてくれるシンボルとして人気なんでしょうね。
愛媛県東温市
埼玉県蓮田市
静岡県静岡市
東京都武蔵野市、西東京市
長崎県佐世保市
兵庫県尼崎市
三重県桑名市
徳島県小松島市(市の花)
神戸市長田区
さいたま市緑区
東京都港区
名古屋市昭和区、千種区
横浜市港北区
大阪市鶴見区(区の花)
ハナミズキにまつわる伝説
ハナミズキにはイエス・キリストに関する伝説があり、キリストを象徴する花とされています。
キリストが掛けられた十字架には、ハナミズキの木が使われたのではないかと言われています。実際に聖書に書かれてはいないので、あくまで伝説ですが・・
ハナミズキは十字架に使われたことを悲しみ、以前は大きく高く成長していた木も、それ以来、低く細い枝になったのだとか。
そして、十字架のような四弁の花(総苞)を咲かせ、その先端には釘と血がにじんだ跡が残り、中央の花序はイバラの冠のようになったと言われています。
悲しくてちょっとコワイ伝説ですが、キリストの忍耐が由来となり、永続性や耐久性といった花言葉になったのかもしれませんね。
おわりに
春に向け、そろそろ蕾がほころびはじめる花水木。
ハナミズキといえば、一青窈の曲としても有名ですね。アメリカ同時多発テロで失った大切な人への想いが込められているこの歌詞からも、平和を祈る永続性や私の想いを受け取ってくださいという花言葉の意味が伝わりますね。
わたくしごとですが、ハナミズキと言えば、槇原敬之の花水木がとても好きです。1994年発売の5thアルバム、PHARMACYに収録された、ある5月の別れの曲。マッキーもこの歌に花言葉の意味を込めたのかもしれないなぁなんて、想いを馳せています。