夏の太陽を思わせる黄色い大きなひまわりの花。
ひまわりは、いつも太陽のほうを見ているっていうイメージがありますよね。
でも、それって本当なのでしょうか?
ひまわりが太陽を追いかけるのはいつか、またその理由についてご紹介します。
ひまわりの向きは本当に太陽に向いている?
和名で、向日葵と書くひまわり。
そして花言葉は、私はあなただけを見つめる。
どちらも、ひまわりが太陽の動きを追うように花の向きを変えることが由来となっています。
ひまわりは太陽のほうを向いて咲く。
というのは有名な話ですが、本当に太陽の動きに合わせて向きを変えているのでしょうか。
ひまわりって、いつも同じ方向だけを向いて咲いているいる気がしませんか?
そう、ひまわりが太陽に向かって動くのはある一定期間だけで、開花しているひまわりの花は太陽を追いかけてはいないんです。
太陽を追いかけるのはつぼみのひまわり
それでは、ひまわりはいつ、太陽を追いかけて動いているのでしょうか。
実は、ひまわりが太陽の方を向くのは生長途中だけ。
花が咲くころには、その動きを止めてしまいます。
そして、つぼみに花びらが見え始めると、西への動きは次第に小さくなっていき、花が咲いたらひまわりは東を向いて止まったままに。
まだ若いつぼみのころに太陽を追って動くひまわり。
ただ、東から西へと向きを変えているのは、ひまわりの花ではないんです。
動いているのは、花ではなく茎。
茎のなかでは、なにが起こっているのでしょうか。
ひまわりが太陽の向くのはなぜ?
ひまわりが太陽を追いかけて動くのはなぜか。
それは、ひまわりの茎にあるホルモンによります。
植物の伸長成長を促す作用を持つ植物ホルモン(オーキシン)は、光を避けるように移動する性質があります。茎は、光が当たる反対側のほうがよく伸び、その生長の差によって、ひまわりは太陽に向かって曲がってしまうのです。
というわけで、太陽が東にあるときははひまわりの茎は東のほうを向き、太陽が西に傾くにつれて西へと向きを変えていくのですね。
このように、植物の茎が太陽の光の強い方へ向かって屈曲する性質のことを向日性(こうじつせい)と言います。
こちらの動画は英語の字幕なのですが、向日性のイメージがわかりやすいので参考にしてみてください。
ひまわりは夜はどっちを向いている?
日中、東から西へと向きを変えるひまわり。
夜のあいだは、どのような動きをするのでしょうか。
上の動画(0:28あたり)に答えもあったのですが、これについては、2016年にカリフォルニア大の研究チームが実験で解明し、次のように発表しています。
昼は太陽光を受けて茎の東側の成長が速いために次第に西を向き、夜は体内時計の働きで茎の西側の成長が速くなって東向きに戻ることが分かった。
人間と同じように植物にも体内時計があって、ひまわりも次の日の朝に向けて準備をし、東から昇ってくる太陽を待っているのですね。
ひまわりはなぜ東を向いて咲くの?
開花後は、ずっと東を向いているひまわり。
その理由には諸説あるようです。
一説には、ひまわりが東に向いて咲くことで、太陽の光を受けて温度を上げ、受粉をおこなう昆虫を増やす効果があるのだとか。また、夜露を早くかわかすことで病原菌が増えるのを防ぐためとも言われています。
ひまわりが東を向いて咲く理由は、明確には解明されていないようですが、生長途中のひまわりが太陽を追いかけて向きを変えるのはホントなので、ぜひ一度観察してみてくださいね。
おわりに
ひまわりが太陽のほうを向いて動くのは、花が咲く前のつぼみのときなのですね。
しかも、動くのは花ではなく、若い茎の部分。
でも、なぜひまわりだけが太陽を追いかけるの?
と思ってしまいますが、マリーゴールドやダリア、百日草などにも向日性があるんですって。夏にも咲いている花なので、私もよく見てみたいなと思います。