七草には、春の七草と秋の七草がありますよね。
春の七草がゆは毎年1月7日に食べますが、秋の七草の時期っていつごろなのでしょうか。
そして、なかなか覚えられない秋の七草の名前。
おもしろい語呂合わせやリズムで、美しい秋の七草の名前を全部覚えてみませんか?
秋の七草の時期はいつ?
秋の七草は、萩、尾花(=ススキのこと)、葛、
撫子、女郎花(おみなえし)、藤袴、桔梗の七種類。
暑い夏に咲き始める花が多いですが
秋の七草の時期はいつごろなのでしょうか。
秋の七草の時期は、旧暦の7月から9月。
新暦で言うと、9月の中旬から初秋のころです。
秋の七草はちょうどお彼岸の時期でもあります。
彼岸は、秋の場合、秋分の日を中日として、前後3日間を合わせた7日間のこと。
2019年の秋分の日は9月23日なので
秋のお彼岸は9月20日から9月26日までになります。
また、秋の七草はお月見にも欠かせません。
中秋の名月は、旧暦の8月15日。
2019年の中秋の名月は、9月13日です。
毎年この時期には、秋の七草のススキや桔梗を飾り、秋の空に昇る丸い月を観賞します。
秋の七草の由来は?
秋の七草は、どのようにして始まったのか・・
それは万葉集に綴られた歌が由来となっています。
秋の七草の始まりとなった、
山上憶良が詠んだ二首の歌がこちらです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌の花」
(万葉集巻8第1537番・1538番)
最初の歌では「秋の野に咲いている草花を指折り数えると七種類ある」と詠まれていますが、この「七種(ななくさ)」という部分から、秋の七草が始まったと言われています。
そして、二つ目の歌では、その七種類の植物の花の名前が順に歌われていますが、ここで登場する朝貌(あさがお)は、現在の朝顔を指すのではなく、桔梗のことだと言われています。
春の七草は、七草粥を食べて無病息災を祈りますが、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しんだり、薬草としても古くから親しまれてきました。
秋の七草は食べられる?
春の七草は、食べられる野草ですが、
秋の七草も食べることができるのでしょうか。
秋の七草は、お粥にして食べる風習はありませんが、なかには食べられるものもあります。
たとえば、葛もちの材料になる葛粉は、葛の根っこから得られるデンプンを精製して作られたものですし、葛は花や葉、つるも食べることができます。
花やつぼみは、天ぷらにするとおいしいみたい。
こちらが7月から9月ごろに開花する葛の花です。
また、おみなえしや桔梗、葛の根などは生薬として使われてきましたが、桔梗や藤袴のように花に毒性があるものもあります。
このように、秋の七草の一部は食べられますが、有毒植物もあるので、秋の七草は食べるよりも愛でて楽しむことに留めておいたほうがよさそうですね。
秋の七草の覚え方は「おすきなふくは」
秋の七草は食べる機会もほとんどないですし、
なかなかすべての花の名前を覚えられませんよね。
そんな時は、七草を語呂合わせで覚えてみませんか。
秋の七草の簡単な覚え方は、
頭文字をならべた「お・す・き・な・ふ・く・は」
す ススキ(薄)
き キキョウ(桔梗)
な ナデシコ(撫子)
ふ フジバカマ(藤袴)
く クズ(葛)
は ハギ(萩)
「お好きな服は」のほかには、
「ハスキーなおふくろ」という覚え方もあります。
最後のろは、語呂合わせでくっつけただけです。
また、五七五七七の短歌のリズムにのせて、
口ずさみながら覚えるのもいいですね。
クズ・フジバカマ
オミナエシ
オバナ(ススキ)・ナデシコ
あきのななくさ
新暦ではまだまだ暑い夏に咲くものが多いですが、
秋の訪れを知らせる風情のある美しい花ばかり。
すきな覚え方で、ぜひ覚えてみてくださいね。
おわりに
秋の七草の時期は、9月中旬から初秋にかけてです。
無病息災を祈って七草粥を食べる春の七草とは違い、美しい花を眺めて楽しむ秋の七草。
古くは万葉集のころから親しまれてきた秋の七草を語呂合わせで覚えたり、日本らしい七草の花を飾って、秋の始まりを楽しんでみてはいかがでしょうか。